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LIFE IS BEAUTIFUL!!! 山田英幸のもの・ものがたり2017/10/2

好きなものだけに囲まれて暮らしたい。

毎日の暮らしを、わがままに、自分好みに美しく整えたい。

そのために必要なのはたっぷりのお金!!

ではありません。

ちょっとしたアイディアや工夫、少しの手間、そして何より一番大切なのはどれだけそのものを愛せるか、ということ。

 

身のまわりのものを愛する、ということは、暮らしを愛する、ということ。

それはつまり、人生を、自分を愛する、ということだと思います。

ちょっとしたことで、暮らしはもっと美しくなる。

人生も、もっと美しくなるのではないでしょうか。

 

 

 

 

我が家の場合、部屋のスペースを占拠している三つのものは、「洋服(着物も含む)」、「骨董」「本や雑誌」です。

これらの整理・収納にはいつも頭を悩ませています。

特に雑誌。

仕事の関係もあって、それこそたくさんの雑誌を購読しています。

今は昔ほどではないですが、一時はめぼしい婦人誌「家庭画報」「婦人画報」「ミセス」「LEE」「メイプル」そして「和楽」、そういえば「SOPHIA」なんてのもありました、さらに「GQ」や「BAZAAR」、「Italian VOGUE」や「PER LUI」などの海外雑誌を定期購読し、「メンズノンノ」や「BRIO」「X-MEN」、そして「ポパイ」や「ブルータス」、、、とにかく膨大な量の雑誌を買っていました。

 

マンションを買った時、特に重視したのは収納です。そんな本や雑誌を並べるために壁一面を壁面収納にし、棚の奥行きや高さを「家庭画報」にそろえて設計したほどです。

 

収納に一番気を使った我が家も、潤沢に思えた収納がいっぱいになるのにそんなに時間はかかりませんでした。そこで思い出したのが、昔会社でやっていたスクラップのこと。

 

30年以上前になりますが、会社に入って最初にやらされた仕事は、雑誌のスクラップです。

先輩ADに命じられ、毎日届く膨大な量の雑誌から、デザイン的に気になるビジュアルを切り抜き、スクラップブックに貼るのです。

面白い写真やきれいな文字組み、新しいデザインの情報などなど、そして、先輩からは「飽きないように、ところどころにセクシーな写真もスクラップしとくように」という指示も。そんなスクラップブックが何十冊もあり、ときどきパラパラとめくってはあたらしいアイディアの源としていました。

 

また、昔はよく図書館に行くと、雑誌一年分を綴じて、ちゃんとした表紙をつけて保管してあったものです。「合本」というやり方です。それと先輩からおそわった「スクラップ」を利用して、雑誌を整理出来ないかと考えたのです。

 

もともとがどの号だったかわかるように、表紙も綴じています。

 

小口にのりを塗り、寒冷紗で押さえたところ。

 

たとえば、これらの写真は「家庭画報」ですが、各号の中から自分が好きで、ずっととっておきたいページだけを外します。(「無線綴じ」という綴じ方なので、わりに簡単に外すことができます。)

それらをまとめて、「ビニダイン」という製本用ののりと、寒冷紗のテープを使って綴じなおすのです。同じ雑誌なので、サイズもきれいに揃います。

その上で簡単な表紙をつけて出来上がり。

ネットで製本の仕方を調べ、ほんのエッセンスだけを応用した非常に簡易的なやり方ですが、自分用には十分じゃないかな?

残したい量にもよりますが、これで、だいたい三~五分の一くらいの厚さに減らすことができました。

 

そうして出来た「合本」の「家庭画報」。表紙の色がそろってないのは御愛嬌。

 

こうしてできた新しい雑誌、何が素晴らしいかと言えば、「自分の好きなページしか出てこない」ってこと。

開いても開いても、自分の興味のある記事ばかりが出てきて飽きることがありません。当たり前ですが。

僕の「家庭画報」は発行順にページを抜き出していっただけですが、もちろんテーマ別に綴じることもできます。

「料理」とか「建築」「工芸」「着物」などなど。

そうやって、どこにもない「自分だけの一冊の雑誌」を作ることもできるのです。

 

そうやってつくった自分だけの雑誌をパラパラとめくると、久しぶりに出会う大好きなページにまたため息をついたり、そのころの昔を思い出したり、何か新しいアイディアがわいてきたりします。

そもそも省スペースのために始めたことでしたが、それ以上に別の楽しみを発見することができました。

 

友人のアートディレクターは若い時、先輩から「雑誌は切り抜いちゃいけない」と習ったといいます。

ページものは「構成」もデザインであり、それをばらしちゃいけない、と。

その考えとは別に、僕も、スペースさえあればこれらの雑誌も切り抜いたりせずに全部丸のまま取っておけたのに、と思います。

「好きではない」「興味がない」ということで合本するときに捨ててしまった部分。そこには何があったのか?

そんなことがいま、妙に気になるのです。

 

 

 

 

山田英幸

幼い時から美しいものが好きで、長年にわたり骨董・アンティーク・古裂・ヴィンテージテキスタイルなどを収集。

また手仕事も得意で、洋服、帽子、人形、テディベアなどを制作するが、1990年頃「究極の手仕事・仕覆」に出会い、現在も制作を続けている。

西麻布「ルベイン」「銀座松屋」などで仕覆展示会開催。

自称「手芸の国の王子様」。

 

とにかく、「もの」が好き。それにちょっとした工夫や手仕事をプラスすることで、身の回りを美しく、毎日を楽しくしたいと思っている。

愛知県名古屋市生まれ。現広告代理店クリエイティブディレクター。

 

 

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