今週のチラ見物件2020/12/25

皆さん、こんにちは。

マンションマイスターこと、不動産鑑定士の石川です。

 

お待たせしました「今週のチラ見物件」、105回目です。

今年も残すところあとわずか。新型コロナの影響で年末年始は旅行やイベント参加を避け、近場で過ごされる方が多いかと思います。

繁華街から外れた、人通りの多くない住宅街で気になるマンション巡りのお散歩など、ちょうど良い気分転換ではないでしょうか。

 

週1回、マンションマイスターの私がいろいろなエリアに降り立ち、気になるマンションを紹介していきます。

駅で待ち合わせて、周辺環境を紹介しながらマンションまで案内するという、バーチャルな体験を一緒に楽しんでくださいね。

 

今回は、新宿区の早稲田エリアの外れ。レトロなチンチン電車が走る都電荒川線の「面影橋」からお届けします。

都電荒川線の「面影橋」駅です。都電荒川線は東京に残る唯一の都電で、荒川区の「三ノ輪橋」から新宿区の「早稲田」間の約12.2km・30停留場を運行しています。

 

可愛らしいチンチン電車がやって来ました。車両は5種類ほどあり、主力はこの2015年から走る直線的でシャープな印象な8900系。その他、曲面や丸みを活かした8800系や、レトロ感を押しだした9000系など、それぞれ特徴をもったラインナップは鉄道ファンに愛されています。

新宿区の新目白通りには、この「面影橋」駅、そして次が終点の「早稲田」駅の2駅があります。それぞれ副都心線西早稲田駅、東西線早稲田駅まで徒歩10分程と直接連絡はしていません。そこもまたのどかな空気を感じさせる要因でしょう。

ところでこの「面影橋」、情緒ある名前ですね。神田川にかかる橋の名称です。江戸時代には「姿見橋」と呼ばれ、蛍の名所だったそうです。

解説のプレートによると、橋名の由来は、歌人・在原業平が鏡のような水面に姿を映したという説、時の将軍・徳川家光がこの辺りで鷹狩り用の鷹を見つけたのでこう名付けたという説、昔この近くに住む和田某の娘お戸姫が、その美貌ゆえに次々と災難に会うのを苦に髪を切り、深夜この橋の上で変わり果てた自分の面影を川面に映したという説があるそうです。

面影橋がかかる神田川。川のほとりは桜の木が並んで、春には桜が咲き乱れる名所です。

面影橋駅から南へ歩いて徒歩1分にある「甘泉園(かんせんえん)公園」。日本の歴史公園100選にも選ばれていて、新宿の区立公園としては唯一の回遊式日本庭園です。

「甘泉園」の名は、ここから湧く泉の水がお茶に適していたところからきたと言われています。

古くは徳川御三卿の清水家の下屋敷であったとところで、明治になって相馬侯爵邸となり、昭和13年に早稲田大学が譲り受けて付属施設とし、昭和44年に新宿区の管轄になりました。

庭園は、江戸時代に多くみられる大名庭園で、地形の段差を利用して湧き水の池や滝を形成し、中島、磯渡り、築山を配した回遊式になっています。

広さは1万4千㎡あまり。「山吹の井」というひょうたん型の池を中心に、池の南に三島山があり、樹木も多く、マイナスイオンをたっぷりと浴びることが出来ます。

公園にはその他、遊具コーナーやテニスコートがあって、子供から大人まで体を動かしてリフレッシュできる環境です。

さて、再び面影橋がかかる神田川に戻ってきました。川沿いを散歩してみましょう。

神田川添いには遊歩道が伸びています。情緒がありますね。

ちょうど、遊歩道に面した大きな敷地に、新築マンションが建築中でした。2022年3月竣工予定の「Brillia City西早稲田」という、70年間の定期借地権マンションです。

新目白通り沿いの高い建物が、喧騒を遮り、この神田川沿いはとても閑静な環境で、水のせせらぎが聞こえてきそう。

 

 

そんな中、今日紹介するマンションが見えてきました。「エドコモン西早稲田」。1996年築の5階建て、総戸数44戸の中層マンションです。

 

南側の間口が広く、南向きバルコニーから神田川を望む住戸がメインとなるよう設計されています。

まさに神田川を望むために建てられたようなマンションですね。桜の季節はバルコニーが特等席になりそうです。

ちょっと変わったマンション名は「江戸小紋」からとっています。実はこのマンション、もともと老舗の染物工房「富田染工芸」の敷地で、その染物会社が分譲したんですよ。

 

歴史を紐解くと、江戸時代から染め物業は下流の神田や浅草に多かっのですが、水が汚れてきたため、染色に適した良質の水を求め、より上流のこの辺り神田川流域に染め物業者が集まってきました。

分譲主の富田染工芸のその一つ。大正時代から続く染物会社で、マンションの東隣に工房があります。

「東京染めものがたり博物館」。新宿区が区内にある寺社などの文化財や、優れた伝統工芸などを指定・公開する「新宿ミニ博物館」のひとつに登録されています。

 

開館日には、江戸の伝統を今に伝える東京染小紋や、江戸更紗の製作工程や作品が見学ができます。

東京染小紋と江戸更紗を中心に作品や染色の技法を紹介してくれます。

 

また、マンションの1階店舗にも着物悉皆屋が入居しています。

 

まるで着物の染紋を髣髴させる外壁タイルと、丸みを帯びたアール状のデザインも優雅です。

いかがでしたでしょうか。神田川沿いの小道に佇む、その江戸小紋の歴史を受け継ぐそのストーリーは、このマンションだけが持つものでワン&オンリーな存在ですね。

 

もっと詳しく知りたい方はマンションの詳細情報も是非ご覧ください!

もっと詳しく(マンションライブラリのマンション紹介ページへリンクします)

 

『エドコモン西早稲田』

 

所在:東京都新宿区西早稲田3

交通:都電荒川線「面影橋」徒歩4分

築年:1996年4月

総戸数:44戸/5階

分譲会社:富田染工芸

施工会社:熊谷組

 

では、また来週、お会いしましょう!

 

 

石川勝
不動産鑑定士

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。著書「選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 基礎編」「選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 実践編」(エイ出版刊・「マンションマエストロ検定」公式テキスト)

 

 

 

 

今週のチラ見物件 についての記事

もっと見る