住めば都も、遷都する2020/12/14

ソファにゆったりと座って、映画を見る。芝居を楽しむ。コンサートを体験する。実際に劇場に行ける機会は増えたけれど、また、感染が拡大しているようで、今後、どうなるか分からない。

 

わが家の良いところは、能を見ながら、パリパリとポテトチップスを食べられる。クラシックを聞きながら、大きなくしゃみだってできる。自由と言えば自由だが、寂しくもあるが…。

 

でも、嘆いていても始まらない。スポーツの試合も含めて、観客数を増やす試みが進んでいるけれど、果たしてどこまで可能かという問題もあるし。

 

ホームシアターにもなじんでいこう。そういえば、それぞれの自宅にいながら、同時に同じものを楽しみ、SNSなどで感想を語り合う人が増えた。

 

 

同じコンテンツを、同時に見ることがポイントだ。ネットでつながっているだけなのに、一緒にいる感じがする。

 

そうか、今年、みんなが欲しがっていたのは、時間を共に過ごすという「一緒にいる」感覚だったのかも。

 

通信回線で誰とでもつながる時代、どこに住んでも同じだとも言える。住めば都も遷都する。ともかく住みやすさを第一にもっと広い範囲から、住まいを探してみようか。新型コロナウイルスで失ったものは多いけれど、新しい可能性も少しはあるのかも知れない。

 

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書に『女と夜と死の広告学』(晃洋書房)『いまどきネットだけじゃ、隣と同じ!「調べる力」』(明日香出版社)『偶然ベタの若者たち』(亜紀書房)他。論文に「記号としての心臓 なぜ、血液のポンプが、愛の象徴になったのか」「映画に描かれた『料理』と『食事』の4類型」「月の絵本 無生物とのコミュニケーションを描いたナラティブ」(いずれも『コミュニケーション科学』)他。

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