住めば都も、遷都する2020/10/29

最近、お弁当を食べた? コンビニなどの出来合いではなく、手作りのお弁当。子どもの頃は、おなじみだったのに大人になると、食べる機会が減ってしまう。

 

いや、勤め先に毎日持って行くという「幸せ者」もいるだろう。誰かが作ってくれたにしろ、自分で用意したにしろ、お手製だとお弁当は、おいしい。不思議だ。

 

一番いいことは、お弁当を開けた途端に、何となくわが家にいる気分になること。外食と違って、お弁当は、家の食卓の延長のような感じがある。

 

わが家から持参したお弁当は、わが家の匂いというか雰囲気をともに運んでくるのかしら。それが何ともいえない寛ぎにつながる。

 

仕事の場に、食欲をそそる匂いと共に、私生活が入り込む。ワークライフバランスとは、大げさなことではなく、おいしいお弁当をオフィスで食べられるゆとりも含むのかな。

 

 

 

そういえば、インド西部のムンバイには、ダッバーワーラーという職業があるそうだ。毎日、各家庭で作られたお弁当をオフィスに運ぶのである。ムンバイでは、5000人ほどのダッバーワーラーが、毎日、20万食のお弁当を運んでいるとか。

 

この瞬間にも世界中のオフィスや公園で、お弁当を開いている人がいる。どこの街でも、お弁当のふたを開けると、自宅の空気感が漂って。みんなが笑顔でランチをしている。

 

住めば都も遷都する。まあ、ムンバイではないこの街では、自分でお弁当を持っていくことになるが…わが家にいるような寛ぎは、世界中、同じなのだ!!

 

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書に『女と夜と死の広告学』(晃洋書房)『いまどきネットだけじゃ、隣と同じ!「調べる力」』(明日香出版社)『偶然ベタの若者たち』(亜紀書房)他。論文に「記号としての心臓 なぜ、血液のポンプが、愛の象徴になったのか」「映画に描かれた『料理』と『食事』の4類型」「月の絵本 無生物とのコミュニケーションを描いたナラティブ」(いずれも『コミュニケーション科学』)他。

住めば都も、遷都する についての記事

もっと見る