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オープンキャンバス2017/10/3

第6回 「マンションの価値を現すマトリックス表を埋めていこう 各論③」

 

教えてますよ!皆さん。こんにちは。

マンションマイスターこと不動産鑑定士の石川です。

 

今日は各論の第3回ですね。1回・2回はマンションが建っている「地面」のお話でした。

いよいよ今回から建物の話になってきますので、よりイメージつきやすいのではないでしょうか。

 

さて、おさらいですが、もう頭に入ってきてますね。

マンションの価値はどう考えるの?を考えていく場合、2つのアプローチから分類し、その2つのアプローチの項目をマトリックスにしました。

 

1つ目のアプローチは以下の「4つの性格」

1.「安全性」

2.「居住性」

3.「耐久性」

4.「資産性」

 

2つめのアプローチは以下の「3つの要因」

A.「エリア・立地に関する要因」

B.「一棟の建物に関する要因」

C.「専有部分に関する要因」

でしたね。

 

前回までは、

1.「安全性」× A.「エリア・立地に関する要因」

 

を埋めましたので、マトリックスは、

 

 

こうでしたね。

 

 

今回は、

1.「安全性」× B.「一棟の建物に関する要因」

を埋めていきましょう。下図の黄色の部分ですね。

 

「一棟の建物に関する要因」とは、マンション全体の建物に起因する要因です。

マンションは各居住者が所有する「専有部分」の集まりですが、これ以外にも「共用部分」を含めて一棟の建物が構成されているのはお分かりですね。

「共用部分」というのは廊下やエントランスはもちろんですが、建物の構造体や、エレベーター、駐車場などの設備も含みます。

 

では、いつものように項目から見てみましょうか。

 

鉛筆にマンションマイスターの魔法を一振りすると・・・

 

ちちんぷいぷい!

 

はい、では具体の中身を見ていきます。

まずは、「対地震安全性」から見ていきましょう。

・『設計・施工の良否』『設計会社・施工会社の実績』『新耐震か否か(耐震補強等)』『躯体の工法』『免震・制震』『住宅性能評価基準の有無』が出てきました。

 

これらは、地震に対してどれだけ対策が取られているか、どれだけ安全性を担保できているか、を示します。

 

『設計・施工の良否』

『設計会社・施工会社の実績』

マンションの分譲時の資料を見れば設計会社・施工会社が記されています。まずは、これらの会社が豊富な実績を持ち、技術が確かであれば安心ですね。設計会社・施工会社のHP等を見て実績の程度を調べてみましょう。

 

『新耐震が否か(耐震補強等)』

建物の耐震基準は1981年(昭和56年)に新耐震基準に変わりました。これを境に「旧耐震基準建物」「新耐震基準建物」と分類されます。旧耐震基準の建物は中地震に耐えるように設計されていましたが新耐震基準では中地震に対して損傷しないことに加えて、大地震に対して倒壊しないことが要求されています。

新耐震基準建物であれば、より安心ですが、旧耐震基準建物であっても、求められる耐震基準以上の設計を行われていた可能性もあります。また、耐震診断を行って、新耐震基準を満たすような工事を施す例もあります。これを「耐震補強」と言います。旧耐震基準建物については、これらの点をチェックしましょう。

 

『躯体の工法』

建物の表示で「○○造」と表示されるものです。マンションにおいて、最も一般的なのはRC(鉄筋コンクリート)造です。RCは耐火、耐震性に優れるという性質を持っています。SRC(鉄骨鉄筋コンクリート)造はRCS(鉄骨)を加えることで、より柱間を長くしたり、高い建物を建てられるようにしたものです。まれにPC造もあります。PCは工場で製作されたコンクリート部材を使う工法で、部材精度が高いので、長い柱間を取りたいときなどに用いられます。

RCSRCであれば問題ないですが、それ以外のイレギュラーな工法であれば、なぜその工法が取られたか調べることをお勧めします。

 

『免震・制震』

『住宅性能評価基準の有無』

東日本大震災以降、さらに地震対策を施したマンションが建てられるようになりました。

「免震」とは建物と基礎との間に免震機構を設けることで地震の揺れを伝達しないようにすることです。

「制震」とは建物内部の機構により揺れを減衰させたり増幅を防いだりすることで、建物の振動を低減させることです。

また、平成12年に「住宅性能評価基準」が設けられて、より詳細な住宅の性能情報を開示するようになりました。第三者機関を設置し、国が定めた統一の基準で住宅の性能を評価し住宅の品質確保を図る「任意」の制度です。

 

 

次に「対火災・水害安全性」を見ていきましょう。

『避難施設の有無』

『避難経路の状態』

です。

これらは、火災・水害が発生したときに備えて、避難施設・避難経路が確保されているかをチェックします。

平面図等を確認しましょう。

危機意識が高いマンションでは、管理組合によりきちんと書面で対策を記していたり、訓練を行うケースもあります。

 

次に「対防犯安全性」を見ていきましょう。

『オートロック、監視カメラの有無』

『警備状態・管理人の活動』

『フェンス・シャッター等の状態』

があげられます。

 

オートロックや監視カメラは一般的になっていますが、備え付けられているだけのチェックでは不十分です。住人が出入りする隙に不審者が入るケースを防止するため最近では2段階ロック(ダブルオートロック)や、エレベーター利用でもロックがされるマンションもあります。また、進入路はエントランス以外にどこがあるのか(駐車場からなど)、それらのセキュリティ状況、監視カメラの台数、死角の有無などもチェックしましょう。

 

 

いかがでしたか。

マンションは、まずは1棟の建物からチェックする必要があることがお分かりになりましたでしょうか。

森を見て、木を見る、という順番です。

 

次回は、木を見て行きます。次のマトリックス

1.安全性

×

C.専有部分に関する要因

 

の講義にはいります。

実際居住するお部屋の話ですので、さらに生活に根差した内容になりますよ。

お楽しみに!

 

マンションマイスターの石川でした。

 

 

石川勝

不動産鑑定士

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

 

 

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