今週のチラ見物件2020/8/28

皆さん、こんにちは。

マンションマイスターこと、不動産鑑定士の石川です。

 

いよいよ8月も終わりですね。今年は一早く学校が再開しているようです。

短い夏休みで名残惜しいですが、登下校の制服姿の学生と街ですれ違うとマスクの下から明るい笑い声が聞こえて、こちらも元気をもらったような明るい気持ちになりますね。

 

お待たせしました「今週のチラ見物件」、96回目です。

記念すべき100回まであと4回です。

 

毎週1回、マンションマイスターの私がいろいろなエリアに降り立ち、気になるマンションを紹介していきます。

駅で待ち合わせて、周辺環境を紹介しながらマンションまで案内するという、バーチャルな体験を一緒に楽しんでくださいね。

 

今回は徳川家や近衛家といったお屋敷由来から、山手線屈指の高級住宅街として名高い「目白」エリアを紹介します。

JR山手線の目白駅です。高台に位置していて大きく広がる青空と、駅前の広い公開空地が開放的な印象を与えます。

山手線しか停車しない駅は、目白駅と新大久保駅だけだそうです。1日の平均乗降者数も、山手線内の駅では鶯谷駅に続いて2番目に少ない駅です。

駅のすぐ目の前に学習院大学・高等科・中等科があり、HPでは「目白駅徒歩30秒」とうたっています。

駅前の「目白橋」は川ではなく、線路にかかる橋です。山手線が地下を走っているように見えることからも、稀有な高台の地形が分かりますね。

2014年に駅前に誕生した「TRAD目白」です。カフェやレストラン、日常使いのスーパーマーケットが集う商業施設で、駅の地下道から地下1階に直結しています。

駅前を東西に走るメイン通り「目白通り」沿いには、飲食店舗、物販店舗、日用品店舗がたくさん建ち並び、賑わいを見せています。

一方で、大通りから1つ入るともう閑静な住宅街が広がります。目白通りの北側を歩いていきます。

5分ほど歩くと、西武池袋線の線路が見え、その手前にあるのが「豊島区立目白庭園」です。

四季折々の様々な自然や数寄建築の「赤鳥庵」「六角浮き見堂」が配された日本の伝統文化を身近に感じることができる庭園として、1990年に開園しました。

園路は回遊式で、水辺に近い飛び石からの眺めや滝見台からの眺めなど、池の周囲をめぐりながら随所に自然の造形美に出会えます。

 

池に鴨や鯉が手に届きそうな位置で観察できます。

「赤鳥庵」は、京都の北山杉を用いた木造瓦葺き平屋建ての数奇屋建築で、水面に優雅な姿を映しています。

予約制で茶会をはじめ、旬会、演奏会、食事会にも使えるのが嬉しいですね。

文京区の肥後細川庭園などを管理運営する西武造園が豊島区より委託を受けて管理しています。管理所にはラムネが売っていました。季節感があって、涼しく感じます。

さて、この目白通りの北側エリアに「徳川ヴィレッジ」という施設があります。尾張徳川家敷地跡7,000坪にあるのは、外国人専用の一戸建て賃貸住宅33邸。海外から日本に来た大使館、外資系大企業の家族が居住しています。

ビレッジ内には尾張徳川家現当主の本邸と尾張徳川家所蔵の美術品などを管理する「徳川黎明会」の本部建物もあります。

もう一つ敷地内にあるのが女子学生寮の「徳川ドーミトリー」。90室ある寮室は、全室とも冷暖房完備のバス・トイレ、ベッド・家具付き。食事も3食付き、ということで地方出身の女子学生を支援しています。

さて、再び目白通りに戻りました。北側エリアが、「徳川家」ゆかりの土地であれば、南側は「近衛家」ゆかりの土地になります。

南側エリアも大通りから1つ入ると、閑静な住宅街が広がります。目白駅の南西に広がるエリアは通称「目白近衛町」と呼ばれ、山手線内でも屈指の由緒ある住宅地。

明治時代後期の華族・政治家であり学習院院長も務めた近衞篤麿、そして子息で3度首相と務めた近衛文麿が邸宅を構えていました。後に資産家や旧華族に切り売りし、高級住宅街として形づけられていきます。

そんな近衛町の閑静な住宅街を歩いていると、珍しい形状の道路に出会えます。

何と、道路の中央に欅の大木が残り、この欅を囲むように道路がここだけロータリー状になっています。

実は、この木は「近衛のけやき」と呼ばれ近衛家邸宅の玄関先に立っていたものです。

近衛篤麿が愛着を持ち、毎日馬車で3周してから公務に出かけていたというエピソードがあります。戦後、近衛邸の解体とともに伐採されそうになりますが、地域住民等の願いにより大切に保存されることになったそうです。新宿区の「地域文化財」に指定されています。

 

そして、この欅を正面にして建つのが今日紹介するマンションです。

「パークコート目白近衛町」です。1998年築、第一種低層住居専用地域に建つ3階建ての低層マンションです。

 

重厚感のあるダークブラウンのタイルは、このエリアの落ち着いた環境にマッチし、長い年月をかけて熟成された風格を感じさせます。

シャッターゲート付きの自走式駐車場はセキュリティと利便性を兼ね備えています。

 

建物は壁式RC構造が採用され、室内に柱や梁が現れない工法で、解放感のある空間を実現しています。

近衛篤麿が馬車で3周したという欅をシンボルツリーのように建てられた類まれな立地のマンションですね。

マンションの南側近くに、素敵な建物がありました。1950年竣工、有名建築家フランク・ロイド・ライトの愛弟子であった、遠藤新氏設計の「目白が丘教会」です。洒落た洋風建築もまた、近衛町の環境に溶け込んでいますね。

もう少し南を下っていくと、「おとめ山公園」という大きな公園があるのですが、それはまた別のマンションの時に紹介します。

いかがでしょうか。山手線内でも屈指の由緒ある住宅地「目白近衛町」で、その土地の成り立ちを間近に垣間見られるマンションですね。

「選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 実践編」(エイ出版刊・「マンションマエストロ検定」公式テキスト)にも「低層マンション」の代表例として紹介されていますので探してみてください。

 

もっと詳しく知りたい方はマンションの詳細情報も是非ご覧ください!

もっと詳しく(マンションライブラリのマンション紹介ページへリンクします)

 

 

『パークコート目白近衛町』

 

所在:東京都新宿区下落合2

交通:JR山手線「目白」徒歩6分

築年:1998年5月

総戸数:16戸/3階

分譲会社:三井不動産

施工会社:三井建設

 

では、また来週、お会いしましょう!

 

 

石川勝
不動産鑑定士

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。著書「選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 基礎編」「選ぶまえに知っておきたいマンションの常識 実践編」(エイ出版刊・「マンションマエストロ検定」公式テキスト)

 

 

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