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LIFE IS BEAUTIFUL!!! 山田英幸のもの・ものがたり2017/9/18

好きなものだけに囲まれて暮らしたい。

毎日の暮らしを、わがままに、自分好みに美しく整えたい。

そのために必要なのはたっぷりのお金!!

ではありません。

ちょっとしたアイディアや工夫、少しの手間、そして何より一番大切なのはどれだけそのものを愛せるか、ということ。

 

身のまわりのものを愛する、ということは、暮らしを愛する、ということ。

それはつまり、人生を、自分を愛する、ということだと思います。

ちょっとしたことで、暮らしはもっと美しくなる。

人生も、もっと美しくなるのではないでしょうか。

 

 

「根来塗 片身替碗」。

昔から憧れていて、ずっと探していたお椀です。

朱漆と黒漆がきっぱりと塗り分けられていて、個人的には「世界で最もモダンなデザイン」だと思います。日本国旗「日の丸」にも通じる究極のモダン。モダンだけどシンプルなだけじゃない、強さと華やかさがあります。

 

京都に行くと必ず立ち寄る骨董屋さんがあります。「うるわし屋」という名前のその店はご夫婦でやっておられ、その名前からも想像できるように「うるし」のものを数多く扱ってらっしゃいます。

いつもご夫妻にはいろんなことを教えてもらうのですが、「片身替椀」のことを聞いたのもそんな折。

いわく、そもそも片身替の椀は室町や桃山時代のもので、その豪放大胆な意匠はその時代の気風をよくあらわしている。本歌(本当にその時代のもの・オリジナル)は数えるほどしかなく、ほとんどは美術館に入っている。・・・・・などなど。

「いつか、自分でも手に入れたい。市場に出たら教えてほしい。」とお願いしたのですが、遠まわしに「たぶん難しいんじゃないか?」というニュアンスの返事をもらった記憶があります。

 

このお椀が入っていた桐箱。
蓋裏には「柳孝特注」の文字。

 

時は流れ、、、、あるときふとヤフオクを見ていたら、なんと「片身替椀」が出てるじゃありませんか!!しかも「柳孝特注」とあります。

柳孝といえば、川端康成も通ったという京都の超一流有名骨董屋さん。そういえばうるわし屋さんも「柳さんが昔、写しを作った」といってらしたような・・・・。

もちろん頑張って落札しました。自分としてはなかなかの出費でしたが、最近のちゃんとしたお椀を買うことに比べれば、かなり安く落札できたと思います。

うるわし屋さんも「おりこうな金額」と言ってくださいました。

そう、骨董の漆の食器は今まだ本当に安いんです。漆は手入れや保存が難しい、たぶんそう思われているんでしょう、とはうるわし屋さんの弁。

僕もアンティークの漆の食器を使っていますが、全然難しくないですよ。水につけっぱなしにしない、金属のもので食べたりごしごし洗ったりしない、食洗機に入れない、そのくらいです。

 

蓋と身の合わせる角度によって、こんなにいろいろな表情になります。

 

このお椀、かなり大胆なデザインなので、合わせるお料理が難しいのでは?と思いましたが、そもそも料亭のような凝った料理は作れませんので、いつも簡単な普段の料理を盛っています。それでもなかなかすてきに見せてくれます。

今日写真に撮ったのは、手抜きも手抜き、なんとコンビニで買ったカボチャの冷静ポタージュ。

合わないかな?と思いましたが、いかがでしょ?

夏から秋へ移り変わるこの季節の一瞬がうまくとじこめられているのでは?と思うのですが。

器が料理を引き立ててくれ、まったく別の世界を作ってくれる。いい器を使う醍醐味です。

 

 

「漆」のことを英語で「JAPAN」とも言います。

「CHINA」の「磁器」に対し、「日本」は「漆器」。

日本を代表する素材なのでしょう。

そして、このお椀のこのデザインこそ「JAPANのなかのJAPAN」。「THE DESIGN OF JAPAN」ではないかと思うのです。

 

 

山田英幸

幼い時から美しいものが好きで、長年にわたり骨董・アンティーク・古裂・ヴィンテージテキスタイルなどを収集。

また手仕事も得意で、洋服、帽子、人形、テディベアなどを制作するが、1990年頃「究極の手仕事・仕覆」に出会い、現在も制作を続けている。

西麻布「ルベイン」「銀座松屋」などで仕覆展示会開催。

自称「手芸の国の王子様」。

 

とにかく、「もの」が好き。それにちょっとした工夫や手仕事をプラスすることで、身の回りを美しく、毎日を楽しくしたいと思っている。

愛知県名古屋市生まれ。現広告代理店クリエイティブディレクター。

 

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