ボンが見聞きしたあの街の美味しいお店2020/7/29

ワタシのご主人はこの家の奥様。毎日のようにワタシを散歩に連れて行ってくださる。

そしてご自身は美味しいレストランで毎日のように食べ歩き、カフェでコーヒーを飲み時々ケーキも食べ、その街の美味しいパンを買って帰る。たまに奥様のダンナ様もご一緒する事もあるが回数は限られている。そしてその日の食事報告をワタシに逐一してくださる。たまに私の食事分もドギーバッグに入れて持って来てくださる。。

 

あっ、私の名前はボン。オスのコッカースパニエル、4歳。

 

 

新型コロナウイルス再燃の影響で相変わらず散歩もまだまだ控え気味。今回は前回に続いて2度目のゆるゆる入谷散歩レポートだワン。

 

と言いつつ土用の丑の日(2020年は7月21日と8月2日)が今年もやってきた。

という事で入谷の鰻の名店

入谷鬼子母神門前のだや  へ

 

 

奥様は特に土用の丑の日に食べる習慣はないが、この日は無性に鰻を食べたくなって、ひとりでポタポタとワタシと入谷まで行って「鰻重」を食べる事にした。

 

店に着いたのが13時半。この日は「静岡産=共水鰻」と「三河一色産」が入荷していると店の外の看板に表示されている。

 

 

店内に入ると時間が遅かったためか帰りがけのひと組の客以外奥様しかいなくてちょっと寂しい。

お店のお嬢さんが注文を取りに来て、一色産と共水の中サイズがあります、と説明。メニュー表を見ながらだいぶ迷った挙句、静岡産の幻の共水鰻にすることにした(税抜6800円、税込7480円)。ランチにしてはちょっと贅沢だけど、自粛を案外真面目に続けてきたからご褒美ね、と奥様、自分を納得させているワン。

 

「共水鰻で」と注文すると、「はい、40分ほどかかります」の返事。『え?ちゃんと裂くところから打ちから焼くのね。それはそれで素晴らしい』。

 

奥様はメニューをじっくり見たり、テレビに映るこの店の鰻の焼き方等を見ていると案外時間は早く経つもので…。

 

途中パタパタ時にはバタバタ、奥から団扇で鰻を煽ぐ音が聞こえてくるのも心地よく楽しい。

 

ひつまぶしは関西風に地焼きだそうだが、奥様が注文した共水鰻は関東風の蒸してから焼く江戸焼きタイプ。

 

 

そろそろ準備が出来ました、と店のお嬢さんがお新香と肝すいを運んできてくれた。まだ40分は経っておらず約30分の待ち時間。なるほど長めに言っておくと少し短縮されただけでも嬉しいもの。

 

お新香には「胡瓜、かぶ、人参、奈良漬け」が揃っていて、なんといっても鰻に奈良漬けのコンビが嬉しい。

 

 

2分後、鰻重到着。蓋を開けると、なんと綺麗な鰻でしょう。見るからに美味しそう。

箸を入れる。ホロリとごはんがこぼれつつひと口いただく。鰻の身はふくよかで、程よく柔らかい。どこかの老舗のような極端な柔らかさでなく、関西風が好きな奥様でも十分、いや十二分に美味しくいただける。タレの甘さは控えめで後味も良い。

のだやの山椒は効きすぎるので使う時は少量で、と書いてあるが、山椒が必要とすら思わない。素材が十分美味しいのとタレの塩梅がちょうど良いので、そのまま何も加えずに食べた方がちゃんと味わえる。

 

 

ごはんの炊き具合、タレの染み込みかた、硬さも好みにピッタリ。

途中、お新香を口直しにいただくが、特に奈良漬けはその役割に最高の効果。

肝吸いには『冬瓜、じゅんさい、椎茸、麩餅、鰻の肝』が入り、他の鰻屋さんのシンプルな肝吸いとはちょっと違い異彩を放つ。

 

もう食べ終わる最終の頃に山椒を試しに掛けて食べてみる。山椒の風味も良いが、この鰻の美味しさは減衰して、もったいない気がする。

 

兎にも角にもちょっと贅沢したけど、とっても美味しい鰻にありつけ、奥様大喜び。。

 

 

この日はパン屋さん B手作りパン スギウラベーカリー へ。

 

 

かれこれ創業70年くらい経つそう。

コロッケパンが評判だが行ってみると品切れ。

 

 

 

19時までの営業で16時半訪問は遅すぎたか。奥様ちょっと悔しそう。

 

 

結局、目についた「コンビサンド(税込160円)」、「甘食(2ケ税込130円)」、「カレーパン(税込130円)」、「あんドーナツ(1個税込120円)」を購入。

それにしてもこれだけ買って税込540円とはお安い。

 

銀座、青山、六本木だとひとつで下手するとこの値段になるし。

 

 

「コンビサンド」…玉子サンドとハムサンドの2種類が入り、パンはしっとり柔らかで結構美味しい。玉子は木目も細かく刻まれマヨネーズの味もちょうど良い。ハムも美味。

レタスが入ったらこの値段にはならないだろうし、別にこれ以上はここには望まない。

 

「甘食(2ケ税込130円)」…世間一般にある甘食とそこまで変わらないが、ほんわかした優しい味。

 

「カレーパン(税込130円)」…辛さはさほど感じないが、予想以上に中のカレールゥに旨味がある。結構好きな味。

 

「あんドーナツ(1個税込120円)」…これも市販されている普通の商品とさほど変わらないが、餡子の詰まり方は密度濃い。ホットでも冷たいモノでも牛乳と一緒に食べると美味。

 

こんなお安く、美味しく食べれるのは有り難いワン。

ホント近くにあって欲しい、そしてずっと経営続けて欲しいパン屋さん。

 

 

この日はここで切り上げて翌日も入谷の下町らしい、古くからあるお店を2軒ランチで回ろうと、また親友のトンさんを誘って行動。

 

 

入谷食堂

 

 

入口に手の消毒液。

年配地元民の方たちが6人で昼間っから酒を飲みながら盛り上がっている。そのグループ以外はソーシャルディスタンスを守っている。

 

この店で評判メニューの一つ「豚生姜焼き定食(税込900円)」を奥様ご飯少なめでオーダー。もう一軒廻るつもりだからご飯少なめにしたみたいだワン。

 

目玉焼き(税込230円)、ハムカツ(税込390円)にも魅力を感じるが、これも我慢しておこうと追加せず。

 

カツ丼を注文する人が多くみられる。確かに壁に貼ってあるメニューでもメインの位置付けにあるのは「カツ丼(税込700円)」、「親子丼(税込650円)」、「玉子丼(税込600円)」。50円ずつ減って行くどんぶり3兄弟。

奥様はいつかこれも全部制覇したいみたい。

 

 

オーダーして6分経過。お盆に乗って定食到着。濃厚そうな「生姜焼き」、「シラス大根おろし」、「お新香(胡瓜、大根)」の皿もついて来る。その他味噌汁がセットされている。

トロトロのポテサラも付いてこれも絶妙な味。

 

 

生姜焼きのタレは甘いがギリギリ甘過ぎず、濃厚なこのタレにハマってしまいそうなうまさ。

ご飯は少しペチャっと柔らかいが炊きたてでギリギリ美味しい。どれもギリギリ攻めるなぁ。

でも、奥様の好みではストライク。

 

味噌汁の具は大根。これも塩分程よく美味い。

 

1932年(大正12年)弁当屋として創業し、その後約90年近い歴史を持つ町の定食屋さん。

いつまでも町の文化でいて欲しいお店。

 

さて、お腹は7分目までいっぱいになってはいたが、奥様どうしても食べたいと思っている歴史ある料理をさらに食べに行く。

 

 

河金

 

屋台洋食屋「河金」。そこで客からカツにカレーを掛けて食べたいと言われ、作ったのがカツカレー(ここでは「河金どん」と呼ぶ)の最初と言うのは有名な話。1918年(大正7年)のこと。

この時作ってなければカツカレーはこの世に生まれなかったかもしれない。と考えるとありがとうと言っておきたいワン。

(後にジャイアンツの千葉茂選手がグリルスイス  で同様にカツにカレーを乗せて欲しいと言って出してもらってはいるが…)

 

 

河金の店名は初代のお名前が「河野金太郎」であるところから来た。

 

 

 

河金どんのカレールーの中に入る具は豚肉と玉ねぎのみ。隠し味にソースや砂糖などが入るそう。カツは厚さも程良い厚さで主張しすぎることもなく、良いバランス。肉は赤身系か。

脂身はほとんどなく食べやすい。キャベツも入る。

 

 

オプションでオーダーした「ポテサラ」も良い味出している。

 

 

レトロな空間の店で古い新聞に紹介されている「店の歴史」を読みながら「河金どん」を食べると、単なるカツカレーでなく、生まれてもいない頃の歴史まで食べている感じがするのが不思議だワン。

是非一度お試しを。

食べられる時に食べておいてほしい味だワン。

 

 

この後、この周辺エリアを散歩していて強烈な湿度で蒸し暑く、ひと休みできる喫茶店を奥様とトンさんは探していた。その時、目に入ってきたのがこの渋いお店。

 

 

Sw 三島屋

 

 

 

たこ焼きやもんじゃ焼き、焼きそば、そして今川焼きも焼いている。

近所の人がふらりと寄ってテイクアウトしていくワン。

 

 

 

店内でも食べられるが、今川焼き2個をテイクアウト。

この近くにある「大橋公園」で座って食べるのも良いかなと奥様思ったみたい。

 

 

今川焼きは外はサクッと焼けて、皮の内側は柔らかで熱々とろ〜り。

火傷に注意ってくらいにあっつ熱。

 

甘さも疲れている体にとっても美味しい。

良いなぁ、こういう店が近所にあると。

今度はもんじゃ焼きも食べに来ようっとお二人で話している。ワタシもまた付いて来たいワン。

 

 

そうこうしているうちに夕方17時過ぎに…。

夜の食事もトンさんと2人分予約してあるお店にそろそろ行かねば、とポタポタ散歩しつつ向かう。

 

天ぷら大塚  へ。

 

 

「天ぷら大塚」はあの新御徒町の「天ぷらみやこし」で修行した大将が腕を振るう店。今年で開店して10年経つんだそう。そしてここ3年連続ビブグルマン獲得店。

 

18時少し前に店の前に到着。

店に入って直ぐに手のアルコール消毒をお願いされる。

 

 

食事はコースでお願いするが、刺身はこの日は奥様は食べたいと思わず、天ぷらのみの10品の松コース(税込6200円+席料先付700円)をオーダー。

 

その他は「特コース(税込8300円)」は刺身3品、天ぷら10品、食事、デザートがつく。

「Aコース(税込7200)」は刺身3品、天ぷら8品、食事、デザート。

「竹コース(税込5000円)」は天ぷら8品、食事というコース。

 

天ぷら10品は以下。

 

 

「お通し」…酢の物で具には蛸、あおやぎ、海鼠、イカ、胡瓜。外は蒸し暑かったので、こういう酸っぱい一品は嬉しい。そして蛸も歯応えも優しい美味しさ。

 

 

「海老脚2ケ」…塩でいただく。外はカリッと中はしっとり、かなり美味しい。

 

 

 

続いて「才巻海老」…中は甘くしっとりとやや生っぽく揚げられた一品。これも塩でいただく。これも美味しい。

 

 

「アオリイカ」…イカの揚げ方も上手で中は半生で柔らかく甘い。あのみかわの早乙女さんっぽい揚がり方っぽく感じた。

 

 

 

「キス」…身はほくっとしっとり

 

 

「鮎2尾」…小ぶりな琵琶湖の鮎。稚鮎の苦味が実に美味しい。

 

 

「沖縄産の丸オクラ」…という事は沖縄県の伝統野菜「島オクラ」の事だろう。細長くカット面は丸い形をしている(普通のオクラのカット面は星形)。実は甘味もあり柔らか食感。結構美味しい。

 

 

「海老」のお代わり、2尾目…今回はもっと深く揚げたタイプ。僕的には1尾目の半生のタイプの方が好きだが、2種類味わえるのはなかなか楽しい。

 

 

 

「穴子」…穴子が出たという事はこれで終了かな?と思いつつ食す。これが衣はカリッと中身はほくっと揚げられなかなか美味しい。おろし入りの天ツユでいただくが麻布十番の『天冨羅よこ田』っぽい美味しさがあって満足。

 

 

「伏見唐辛子」…意外にもこれがかき揚げ前に出る最後の一品。ビタミンCもたっぷりでカルシウムはピーマンの2倍と言われる伏見唐辛子。唐辛子と言いながら辛くなく、むしろ甘みがある。夏バテ防止に良いらしいので僕的には嬉しい一品。

 

 

〆の食事は天丼、天茶、そして白いご飯とかき揚げの3種から。

奥様は今日食べすぎているので白ご飯を少なめでいただく。『シジミ・みつ葉の赤だし』、たくあんやらカブなどの『お新香』もセットでつく。

 

 

「芝海老のかき揚げ」…サイズは小さめのかき揚げだが、中身は結構の量の芝海老が入る。そしてそれもイイ具合のぷりっとした柔らかさ。

 

 

トンさんは『天丼』をオーダー。天丼も美味しそう。

 

 

これで「樽生ビール(アサヒ熟撰 税込720円)」や「烏龍茶(350円)」等を飲んでお会計はひとり8000円弱とお財布に優しいお値段。

 

ご主人はこの入谷が出身地。人通りも少ない渋い場所に店を構えましたね、と言うと、店がちゃんとしていれば、どんな場所に出そうとも人が来てくれると考えている、との返答。

 

そう、今回食べてみて思った。特別な日や豪勢接待にはここではない数万円の天ぷら屋さんもアリだが、日頃ふらっと行く時や、家族、気の合う友人と一緒に来る店としては十分満足いく味と量。天ぷらは元々江戸時代には立ち食い等で気軽な食事だったものを、ここは具現化しているのかも。

 

奥様すっかりお気に入り。

 

良い気分で帰途につく。次回はどこに行けるかなぁ。コロナ感染拡大でもあるし、自粛しつつも大好きな料理店も助けたい奥様からすれば、短時間の散歩になるかなぁ…。早く平常時に戻って欲しいワン。

 

* 文中に出てくるBはパン屋さん、数字を囲む◯は昼間の利用、●は夜利用を表すワン!

* この情報は作者とボンの散歩時点のものであり、変更が起きている場合があります。最新情報はご自身でご確認ください。

 

 

 

川井潤  食関係含めた幅広いプロデューサー

食に限らず多くのプロジェクトを手掛ける。テレビ番組「料理の鉄人」企画ブレーン(1992年~97年)。地域や食のため世界中に出向く。ほぼ外食生活。食べログフォロワー数日本一。食雑誌dancyu等、執筆多数。

https://tabelog.com/rvwr/kawaijun/ 

https://magazine.tabelog.com/articles/author/kawai_jun

https://goetheweb.jp/restaurant/slug-nee725999900f

#グルメ

ボンが見聞きしたあの街の美味しいお店 についての記事

もっと見る