住めば都も、遷都する2020/3/31

このところ仕事や用事がなければ、家にいる人が増えたのではないか。そんな折り、ふと思い立って、壁紙を張り替えるとか、思い切って塗り替えることも、時間つぶしに楽しい。

 

広い空間は無理でも、限られたところなら、素人の手仕事でも、なんとかなるものだ。日頃、壁という背景にはあまり目を向けない。

 

でも、違った色彩やテクスチャーで雰囲気を変えてみると、なかなか効果がある。考えてみれば、住まいにおける壁の存在は大きい。

 

デンマークの画家、ハマスホイの描く室内空間は、壁が寡黙なのに主役のような存在感がある。一方、マチスなど南欧の画家の描く壁は明るく、はしゃいでいる。

 

いずれにしても、海外のインテリア雑誌を見ていると、壁という色彩空間が迫ってくる。何より、中に住む人の気分を変えてくれることが分かる。

 

 

世の中が色々と大変だと、住まいという「とりで」のありがたさをあらためて思う。ひとまず、この空間が安らかであれば、人々は安心して暮らせるのだろう。

 

いや、家の猫などを見ていても、寝る前、慎重に寝場所の点検をして、大丈夫となれば、安心して橫になる。

 

住めば都も遷都する。ホッとする空間。それが住まいである。フリーランスで、家で仕事をする人も、「闘う場」としての作業空間と、「くつろぐ場」としての生活空間は、部屋を別にするとか、パーティションを置くことなどで、うまく分けている。

 

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書多数。現在、ヤフーニュースなどの個人ブログも執筆中。

https://news.yahoo.co.jp/byline/sekizawahidehiko/

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