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オープンキャンバス2017/9/23

第5回 「マンションの価値を現すマトリックス表を埋めていこう 各論②」

はい、教えます!皆さん。こんにちは。

マンションマイスターこと不動産鑑定士の石川です。

 

前回から各論に入って、具体の内容が出てきていますが、いかがでしょうか。

さらっとおさらいをしておきます。

 

マンションの価値はどう考えるの?を考えていく場合、2つのアプローチから分類し、その2つのアプローチの項目をマトリックスにしました。

 

1つ目のアプローチは以下の「4つの性格」

1.「安全性」

2.「居住性」

3.「耐久性」

4.「資産性」

 

2つめのアプローチは以下の「3つの要因」

A.「エリア・立地に関する要因」

B.「一棟の建物に関する要因」

C.「専有部分に関する要因」

 

でしたね。

これをマトリックスにすると、

 

となります。

前回、まずは「1.安全性」と「A.エリア・立地に関する要因」の部分細分化して項目を埋めてみました。はい、ちちんぷいぷい。

 

 

こうなります。黄色の部分ですね。

 

では、これからが今日の講義の本題に入ります。

 

マンション言うまでもなく、土地の上に建っています。戸建住宅とは比較にならないほどの大きな重量が載っているわけですから、その土地に建っていることがどれほど安全なのか、が大事になります。

 

 

「対地震安全性」については、3つポイントを押さえましょう。

 

・地層の良否

・地盤の良否

・液状化の可能性

 

の3つです。

これらは、次の資料を用いて、インターネットで調べることができます。

 

 

『表層地質図』

表装地質図とは、地層の良否の参考になるもの。国土交通省が「5万分の1都道府県土地分類基本調査」として公開しているもので、表層近く深さ数m~数10m程度の地層がどんなものかを表したものです。

国土交通省の調査は昭和27年から順次更新を行ってます。層の違いによって地盤の強弱がおよそ分かり、古い地層を「洪積層」、新しい地層を「沖積層」といいます。

新しい地層(沖積層)は約1万年~現在に至るまでに形成された地層。それに対し、古い地層(洪積層)は約100万年前~約1万年前までに形成されたもので、新しい地層(沖積層)に比べて硬い地盤と言われています。

国交省のホームページから見られます。

 

 

『土質柱状図』

土質柱状図とは、地盤の良否の参考になるもの。ある地点の地質断面図の事で、ボーリングなどの地質調査を行い、その結果を示したものです。

断面的な地質の構成や、地層の堅さなどがわかります。建物を支えるだけの耐力のある地盤の事を「支地盤」と言い、通常、この地盤まで杭や基礎を設置することで安定した構造とすることができます。この「土質柱状図」によって当該マンションの周辺において、地盤の構成、硬弱、支持地盤がどの深さにあるのかがわかります。但し、表示されているのは過去に実際に調査してデータとして提供されたポイントのみですので、あくまで周辺の参考データとして見てください。地下の地盤は数m離れると異なる場合もありますので、注意が必要です。

行政が公開していて、東京都ですと、東京都土木技術支援・人材育成センターのホームページから見られます。

 

 

『液状化予測図』

液状化予測図は、液状化の可能性の参考になるもの。どのくらいの地震で地面が液状化するのかを段階別に予測したものです。液状化とは、地震の際に地下水位の高い砂地盤が振動により液体状になる現象で、液状化により、比重の大きい構造物が埋もれ、倒れたり、地中の比重の軽い構造物(下水管等)が浮き上がったりします。

これも東京都ですと、東京都土木技術支援・人材育成センターのホームページから見られます。

 

 

 

「対火災・水害安全性」については、3つポイントを押さえましょう。

 

・標高

・ハザード情報

・住宅の密集状態

 

の3つです。

これらも、次の資料を用いて、インターネットで調べることができます。

 

『地形図』

地形図により、その土地の標高の高さの参考になるもの。標高とは、平均海水面から垂直に測ったの高さを示すもので、この地形図により、周辺を含めどのような地形になっているか分かります。一般的に標高が高いほうが水害に対しては強いと思われますが、周辺の水環境や隣接施設の状況にもよります。また、盛土などで造成された住宅地などは地震時に崩れる可能性が大きいこともありますので、一概に高いほうがいいということはできません。

国土地理院のホームページで見られます。

 

 

『洪水ハザードマップ』

洪水ハザードマップは、ハザード情報を調べる参考になるもの。様々な降雨により想定される河川の氾濫や浸水の可能性を示したものです。敷地形状や標高もさることながら、近隣河川の氾濫対策の有無や、下水道の処理能力、施設状況など様々な要因を基準に作成されています。

具体的には、平成12年に東海地方を襲った東海豪雨を想定し、河川の氾濫と内水による氾濫によって浸水が予想される区域とその浸水深を示した浸水予想区域図を作成しています。

行政が公開していて、東京都ですと、東京都建設局のホームページから見られます。

 

 

『住宅地図』

住宅地図は、住宅の密集状態が分かります。簡単なものなら、GoogleMapでおよその状態が分かります。また、Googleの航空写真に切り替えると、真上から見た状態がリアルに分かりますね。

さらに詳しく、表札情報が記載されている詳細住宅地図は、図書館などでも見られます。

同じ密集状態でも、鉄筋コンクリートなど堅固な建物が多いエリアなのか、木造住宅が多いエリアなのかで、火災時の火の回りが違いますので、地図を持って現地確認するのも良いでしょう。

 

「対防犯安全性」としては、次の3つのポイントをおさえましょう。

 

・地域の防犯対策

・地域コミュニティの状態

・消防車等の緊急車両進入の容易さ

 

 

これらは、地域コミュニティの取り組みの熱心さに多く依存しています。なかなかインターネットのここに載っているという性格のものではないのですが、近隣の自治会や役所にヒヤリングしてみるのも一案かと思います。

 

いかがでしたか。

マンションの土地を調べるのにも、いろいろな角度から見る必要があることがお分かりになりましたでしょうか。

 

次回は、次のマトリックス

 

1.安全性

  ×

B.一棟の建物に関する要因

 

 

の講義にはいります。マンションぽく建物の話になっていきますので、よりイメージしやすいと思いますよ。

 

お楽しみに!マンションマイスターの石川でした。

 

 

 

石川勝

不動産鑑定士

東京カンテイにてマンションの評価・調査に携わる。中古マンションに特化した評価手法で複数の特許を取得する理論派の一方、「マンションマイスター」として、自ら街歩きとともにお勧めマンションを巡る企画を展開するなどユニークな取り組みも。

 

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