甘い生活2020/1/22

気が良い、気が悪い……今や、私たちが日常的に使う言葉。「この店ってなんだか気が悪くない?」誰かがそう言うと、みんなうなずく。何となくでもみな同じ気の様子を感じているわけで、目には見えないものとは言え、決して無視できなくなっているのは確か。

 

その気、どこにでも宿るものなら、当然のこととして個人宅にも宿っている。しかし毎日そこで暮らしていると、いかなる気にも慣れてしまって住人には感じられないものとなりがち。ましてや、訪ねてきた人が悪い気を感じたとしても、もはや「ここって気が悪いね」とは指摘できないわけで、いつの間にかひどく気の悪い家に住み続けてしまうこともありありうるのだ。

 

じゃあ自分の家の気、自らコントロールできるものなんだろうか? 実際、賃貸探しでいろんな部屋、いろんな家を回っていると、比較の原理にならって気の良し悪しが見えてくる。

 

なるほどどんな家にも気が宿っているのを確信させられるが、でもその基準は? と言われるとわからない。まさに、そこに身を置いた瞬間、感覚でしか感じ取れないからこそ「気」なのだし、気配なのだけれど、単純に分類するならば、やはり綺麗な空気を感じる部屋は気がよく、空気が重く暗い部屋、湿気を感じる部屋、何やら匂いのある汚れた部屋はやはり気が悪い。

どちらにせよ、空気の質が決め手となるのは確かなのだ。

 

かくして、部屋をいつも清潔にしておくことはもちろんだけれど、もっと具体的には、マイナスイオンが漂う部屋に良い気が漂うとも言われる。例えば、観葉植物を置くことで、常に命の気配というもので部屋を満たしておくこと、そして新鮮な水をあげる習慣で、マイナスイオンを発生させておくこと。

良い気を生むためにできることは少なくないのだ。

 

ちなみに、部屋の角に斜めに置いたテレビで、デッドスペースになっている三角ゾーンには悪い気が溜まりがちと言われる。それも、そこだけ掃除しないから、長い間覗いてもいないから、そういう単純な理由なのだと思う。

 

どんなゾーンも常に意識し続け、神経を張り巡らせておくこと、それもまた良い気を満たす絶対の鍵なのである。

 

旅行などでしばらく家を離れた時、玄関に入る前に、ちょっと深呼吸をしてみて欲しい。初めてその家に入る時のように、先入観をゼロにしてドアを開け、真っさらな気持ちで自分の家の気を味わってみて欲しい。良い気が流れているか、気づかなかった悪い気に気づくことになるか。ぜひとも試してみて欲しい。

 

初めて家を訪ねてくる人は、その気のレベルを何倍にも感じるはずで、そういう意味からしても、自分の家の気を把握しておくのは1つの急務。大げさではなく今後の人生にも関わってくる気がするから。実際、気が悪い家に住んでいて幸せになれる道理が無いのだ。

 

風水にこだわるかどうか、そこは別として、気の良し悪しがあるのは紛れもない事実。

新しい家を探す時も、住み始めてからも、すっかり慣れてしまってからも、常にチェックしてほしい。自分の家の気。

 

 

 

齋藤薫 美容ジャーナリスト/エッセイスト

女性誌編集者を経て独立。女性誌において多数の連載エッセイを持つ他、美容記事の企画、化粧品の開発・アドバイザーと幅広く活躍。新刊『大人の女よ!もっと攻めなさい』(集英社インターナショナル)、『されど“男”は愛おしい』(講談社)など著書多数。

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