LIFE IS BEAUTIFUL!!! 山田英幸のもの・ものがたり2020/1/6

好きなものだけに囲まれて暮らしたい。

毎日の暮らしを、わがままに、自分好みに美しく整えたい。

そのために必要なのはたっぷりのお金!!

ではありません。

ちょっとしたアイディアや工夫、少しの手間、そして何より一番大切なのはどれだけそのものを愛せるか、ということ。

 

身のまわりのものを愛する、ということは、暮らしを愛する、ということ。

それはつまり、人生を、自分を愛する、ということだと思います。

ちょっとしたことで、暮らしはもっと美しくなる。

人生も、もっと美しくなるのではないでしょうか。

 

ティファニーのカトラリー。「ハンプトン」というシリーズ。

 

あけましておめでとうございます。

今年もマンションライブラリーとブログ、「LIFE IS BEAUTIFUL!!! 山田英幸のもの・ものがたり」をよろしくお願いします。

今年はもう少し頻繁にアップするように心がける所存です。

 

 

昔、年に何度もニューヨークに出張していた時期がありました。

ニューヨーク出張といっても仕事は仕事、準備などなかなかハードなものがありましたが、そんな中の楽しみの一つに、空き時間に「ティファニー」で買い物をする、ということがありました。

五番街のティファニー本店はもちろん「ティファニーで朝食を」で有名ですが、映画の中でホリーとポールが「10ドル以下ものを」と店員に訊くと、店員は「銀のテレフォンダイヤラー」をすすめてきます。マニキュアを傷つけずに電話のダイヤルを回すことができる、ま、いってみればただの「棒」。大学生の時にはじめてニューヨークに行ったときは、僕もお上りさんよろしくティファニー本店に行きましたが、買えたのはトランプ。

ティファニーでなにか買う、というのはそれ以来のあこがれだったのです。

 

出張の時、同僚たちはそれぞれ自分や奥さんへのアクセサリーを買っていましたが、僕は自分用に銀のカトラリーを買うことにしました。

「A LIFETIME OF TIFFANY―人生にティファニーを」という名コピーにもあるように、ティファニーには宝石やアクセサリーだけでなく、人生を輝かせるいろいろなものが売られています。

食器やカトラリーの売り場は驚くほど大きく、日本では見たことのないようないろいろなデザインのものがキラキラと輝いていました。

 

今も多分そうですが、そのころの日本のティファニーではカトラリーは扱っていませんでしたから、ニューヨークでわざわざ買う意味があったのです。

 

「ハンプトン」のプレイスセッティング。 右より、ディナースプーン、ランチョンナイフ、ディナーナイフ、ディナーフォーク、ランチョンフォーク、バターナイフ、ティースプーン、コーヒースプーン。

 

売り場にはまるで「ルーシーショー」のルーシーのような「大人の」店員がいて、とても詳しく、わかりやすく、キビキビと、何を買うべきかを教えてくれました。

現代のアメリカでは「プレイスセッティング」はディナーナイフとディナーフォーク、少し小さいランチョンフォーク、ディナースプーン、ティースプーンの5ピースが一般的で、ディナーナイフが大きすぎるなら代わりにランチョンナイフにしてもいい、それだけあればまずはほとんどの食事に事足りる、その他のものはだんだん足していけばいい、と教えてくれました。

なんか「この人の言うことは間違いない」と思わせるプロフェッショナルな明快さがあり、心強かった記憶があります。

 

何十種類もあるなかから、いちばんシンプルでしゃれていると思った「ハンプトン」というパターンを選び、自分用に5ピースプレイスセッティングを一組、まず買いました。

ティファニーのカトラリーはすべてスターリングシルバー、いわゆる純銀です。ですからそこそこの値段がします。その後の出張のたびに1本、今回は2本、と増やしていきました。

そんなふうに楽しみながら買い揃えていったカトラリーですが、なかなか普段の食事に使うには至っていません。まさに「宝の持ち腐れ」。これからはちょくちょく使うようにしたいと思っています。

 

ティファニーブルーのフランネルに包まれたカトラリー。 一度しまっちゃうとなかなか使わないんですよね・・・。

 

日本で引き出物にいただいたシャンペングラスも「ハンプトン」でした。 手前は銀の「シャンペンの泡消し」。淑女がこれでシャンペンをかき回すと、泡が消えげっぷが出にくくなるのだとか。テレフォンダイヤラーに近いものがあります。

 

そのほかにも、海外に行くたびにいろいろなカトラリーを買いました。

ずいぶん前、20代のころに行ったタイでは、真鍮のセットを買いました。「チョップスティック」というパターンで非常にシンプルなものです。しかし何と144ピースがチークの頑丈な箱に入っています。

若いころに買えたくらいですから、たぶん安かったのだと思いますが、とにかく重く、機内手荷物にして運んできました。

このセットは引っ越してすぐのころ、ホームパーティーによく使い活躍しました。アジア風、ちょっと日本風のデザインが何にでも合うので重宝しています。

 

 

144ピースピースの壮観。12人用のセットです。

 

御覧のように非常にシンプル。いいデザインだと思います。

 

夜眠れないときや、夜中に目が覚めてしまったとき、急に思い立って銀のカトラリーを磨き始めることがあります。

銀製品は毎日使っていればそんなにあらためて磨く必要もないのですが、しまったままのものはやはりくすんできます。そんなシルバーを見るとなんだかかわいそうなような申し訳ないような気持ちになるのです。

 

深夜、シーンと静かななか、ときおり遠くを走る車の音を聞きながらシルバーを磨く。

無心に磨いているといろいろなことが思い出され、ピカピカになったシルバーをもう一度ケースにしまう頃には、ようやくまた眠くなってくる。

そんな夜もなかなかいいものです。

 

 

ずいぶん昔にクリニヤンクールで買った魚用のナイフとフォーク。 これは「マッピン&ウェブ」です。 カトラリーケースは自分で作りました。ラップに包んであるところが効果的とはいえビンボーくさい。

 

これは「クリストフル」。魚用はしゃれていてついついほしくなってしまいます。

 

 

 

 

山田英幸

幼い時から美しいものが好きで、長年にわたり骨董・アンティーク・古裂・ヴィンテージテキスタイルなどを収集。

また手仕事も得意で、洋服、帽子、人形、テディベアなどを制作するが、1990年頃「究極の手仕事・仕覆」に出会い、現在も制作を続けている。

西麻布「ルベイン」「銀座松屋」などで仕覆展示会開催。

自称「手芸の国の王子様」。

 

とにかく、「もの」が好き。それにちょっとした工夫や手仕事をプラスすることで、身の回りを美しく、毎日を楽しくしたいと思っている。

愛知県名古屋市生まれ。現広告代理店クリエイティブディレクター。

LIFE IS BEAUTIFUL!!! 山田英幸のもの・ものがたり についての記事

もっと見る