住めば都も、遷都する2019/11/13

スマホやパソコンばかりを使うので、手で文字を書くとか、絵を描くことが減ってしまった。時々、寂しく感じることもある。

 

何より、漢字の書き方を忘れてしまう。「えっ、どんな字だっけ?」と手が止まってしまうのである。たまには、手書きをしませんか。ボールペン、サインペン、鉛筆、万年筆、筆…何でもいいから、手を動かすこと。

 

「手の思考」というものがあるそうだ。手が覚えている動き。手が迷い、答えを導いていく過程。それは、脳と同じように大切な知的な働き。

 

画家とか、彫刻家、陶芸家などは、いつも、そうしたことをしているのかも。いや、大工さん、工場の現場で働く人、そして車の運転なども、「手の思考」が関わっているのだろう。

 

 

3語日記というものを提唱したことがある。その日にあったことを、3つの言葉で書き留めるだけの日記である。

 

「徒競走。歓声。秋晴れ」「遠出。すすき。夕焼け」…俳句にもならない散文的な言葉を連ねるだけでもいい。手で書くことが大切。数年後に読み返しても、情景が返ってくるはず。手が、書いたことを覚えているのである。

 

パソコンで文字を入力するのに向いたコーナーがある。一方、手書きだと、どうだろうか。もう少し、心にゆとりを与えてくれる場が欲しくなるのではないか。住めば都も遷都する。筆記用具とノートやスケッチブックが似合う住まいは、時間のあわただしさを忘れさせる安らぐ空間である。

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書多数。現在、ヤフーニュースなどの個人ブログも執筆中。

https://news.yahoo.co.jp/byline/sekizawahidehiko/

 

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