住めば都も、遷都する2019/2/20

集団で旅に行くと、朝のお茶を楽しむゆとりがある人と、寝坊して集合時間にあわててやってくる人と、2つのタイプがあることに気づく。

 

朝型と夜型の違いだろう。専門家によれば、朝型は3割、夜型も3割だとか。残りの4割は、中間型で、朝とか夜に偏っていないタイプと言える。

 

朝型、夜型、中間型が出来るのは、私たちの体内時計による。右耳と左耳をつないだ線のまんなか辺りに視交叉上核(しこうさじょうかく)と呼ばれる神経細胞があって、24時間周期でリズムを刻んでいる。この神経核が見つかったのが1972年と言うからそんなに昔のことではない。

 

この24時間周期は、人によって、やや短かったり、長かったりする。体内時計の周期が長いと、睡眠のリズムが少しずつ遅れて行く。よって、早起きがつらくなるのだとか。

 

ちなみに視交叉上核のリズムは、セロトニンという神経伝達物質で他に伝わる。健康関連のCMでもやっているように、セロトニンを活発に作り出すには、太陽の光が大切。そして、バランスの良い食事や運動も必要になる。

 

 

旅行の話に戻ると、夕方になると妙に元気づく面々がいて、「今日はどんな店で飲むかな」と盛り上がる。夜型の一団である。

 

朝型の人は、「まあ、どこでもいいじゃない」と夜の過ごし方には、さほどこだわらない。一緒に旅に出ないと、こうした違いはなかなか見えないものだ。

 

住まいにも、朝型、夜型、中間型がある。東向きだと、朝日が早くから射し込んでくる。「寝てられない」といやがる人もいるが「太陽に向かうのが気持ちいい」という人もいる。西向きは、夕日が大好きな人にはいいだろう。まあ、普通は、南向きが多いわけで、昼間の時間が過ごしやすくなっている。時間タイプだと中間型か。

いずれにしても、どの家にも、朝、昼、夕方、夜を過ごすのに居心地の良い場所というものがある。朝型タイプに向いたコーナー、夜型タイプが落ち着く一隅といった感じだろうか。

 

そういえば、わが家の猫は、時間によって気持ちよくいられる場所をしっかりと知っている。太陽の動きに合わせて移動しているようにも思える。

 

住めば都も遷都する。私の友人は、日の出が見られる海岸沿いに住んでいる。気持ちがいいというが、どれだけ早起きが出来ているかは知らない。一方、夕方、富士の遠景が望めて、その後、新宿方面の夜景で彩られる高層階に住む知人もいる。太陽の動きを考えながら、最適な住まいを探すのも理にかなっていると言えそうだ。

 

 

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書多数。現在、ヤフーニュースなどの個人ブログも執筆中。

https://news.yahoo.co.jp/byline/sekizawahidehiko/

http://ameblo.jp/ideationconsultant/entry-12291077468.html

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