住めば都も、遷都する2019/2/9

「おいしい店だと聞けば、どんなに遠くても出かける」と友人夫婦が言う。「でも、お酒と合う料理だったりすると、つい、飲み過ぎて。帰るのが面倒」とも。確かに、行きはよいよい、帰りはこわいである。

 

その点、ぶらっと街に出て、せいぜい徒歩10分圏内に、舌を喜ばせてくれるお店があったら、嬉しい。「今夜、どうする?」「行ってみようか」といった感じで、気軽に出かけられる。

 

治部煮でほっこり。ニョッキでにっこり。グリーンカレーでシャキッと。どこの料理であっても、おいしい外食は、生活にリズムを作ってくれる。

 

ちなみに江戸時代の外食には、蕎麦、寿司、天ぷら、鰻の蒲焼きなどがあった。どれも屋台で始まり、やがて店を構えるようになった。宝暦(1751〜64)の頃には、定食屋さんも。ちくわ・しいたけ・青野菜のお煮しめ、つみれ汁、ご飯と漬け物という感じで百文だったとか。百文の食事と言うことで「百膳」と呼ばれたそうだ。健康食で、おいしそうだ。

 

 

とはいっても、外食ばかりでは飽きてしまう。しっかりと家庭料理を作りたいときもある。食材の揃ったスーパーや路面店が近所にあるとありがたい。

 

とくに野菜と魚かしら。あとチーズ。お肉は、どこの店でも、特殊なものでない限り、まあまあの品質が保てる。しかし、野菜は結構レベルが違ったりする。とくに有機野菜にこだわっていると店を探すのも大変だ。

 

魚介類も同じこと。その店の仕入れ先が良ければ、新鮮で珍しい魚も並んでいる。でないと、月並みなものにしか出会えない。チーズの場合、フレッシュ、白カビ系、青カビ系、セミハード、ハード、山羊のチーズなど、バリエーションがあると、買うときも笑顔になってしまう。

 

食欲は、生きる基本。食の視点から住まいを探すのもあり得ると思う。住めば都も、遷都する。知人の料理研究家は、早朝、市場に出かけられるところに住居を構えた。「安くて、おいしいものが、徒歩圏に。これって、体のためにもいいよ」と言っていた。

 

 

 

 

関沢英彦(文・イラスト)

発想コンサルタント。東京経済大学名誉教授。コピーライターをへて、生活系シンクタンクの立ち上げから所長へ。著書多数。現在、ヤフーニュースなどの個人ブログも執筆中。

https://news.yahoo.co.jp/byline/sekizawahidehiko/

http://ameblo.jp/ideationconsultant/entry-12291077468.html

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